あくび指南所 2号店

ほとんど買い物メモです。

J1 チャンピオンシップ第2戦 浦和レッズ×横浜Fマリノス 埼玉スタジアム2002

J1のシーズンを締めくくるにふさわしい激しく素晴らしい試合でした。
埼玉スタジアムは見事なまでの赤一色。ホームの大歓声に後押しされたレッズが立ち上がりから攻勢。マリノスは,何とかボールを奪っても奪う位置が低く,敵陣にボールを持ち込めずに苦労する。
マリノスは苦しみながらも奥や上野を中心に中盤の細かいパスが徐々に復活,カウンターからの坂田のシュートも出て,少しずつ落ち着きを取り戻す。
後半は,開始と同時に坂田が持ち込んでシュート。反撃の狼煙か,と思ったが,レッズの攻勢も緩まない。マリノスが少しずつチャンスを作れるようになった分,試合は激しさを増す。カウンターで何度か坂田がチャンスをつかむ。この日の坂田はキレの良い動きを見せていたが,どうしても得点を決めることができなかった。しかし,前線で飛び出しを繰り返した上,ディフェンスにも返るその運動量には頭が下がる。
そして試合を動かしたのは上川。エメルソンのカウンターにショルダーチャージをした中西に一発レッド。遠目にはレッドはないんじゃないの?という感じだった。だが,大丈夫,10人のうちは強いぜ!と思っていたら,アレックスのFKが決まってしまう。
正直つらい状況になった。レッズはかさにかかって攻める。セットプレイのピンチが続く。マリノスの選手に疲労が目立つようになる。そして後半終了間際,CKから闘莉王がフリーでヘディング。終わったかと思った。だが,ボールは榎本の手の中にすっぽりと収まった。
そして延長。疲労の極にあるであろう選手達は必死の頑張りを見せる。もちろんレッズの選手達も同じである。その必死さに涙腺がゆるみそうになる。サポーターも必死だ。私自身,普段は出ない声を出し,腹筋が笑っている。30分の延長戦はあっという間に終わり,ついに勝負はPK戦へ持ち込まれる。PK戦まで戦うことは,最初から運命付けられていたのではないかと,根拠もなく思う。
榎本は,CSの2試合で,キックミス,飛び出しすぎなど不安定なプレイを見せており,マリノスの数少ない不安要素だった。だがここは彼を信じるのみ。エノの飛んだところに必ずボールが飛ぶと信じた。願いは通じた。闘莉王,長谷部のシュートはまさにエノの飛んだ腕の中に飛んできた。マリノスのキッカーは冷静だった。奥,上野,坂田,そしてドゥトラ。心憎いほどの冷静さでPKを決めた。飛び出す青の選手達。跳ねるサポーター,飛ぶ紙テープ。素晴らしい,夢のような光景だった。
マリノスの選手達が興奮した表情でサポーター席に近寄ってくる。その中で,照れたような静かな笑いを浮かべているる上野が素敵だ(笑)。表彰式後には,柳想鐵がサポーター席に挨拶に来た。もちろん我々はユサンチョル コールで応えた。サンチョル兄さんありがとう。サポーターの総意だろう。


2戦通して素晴らしいチャンピオンシップだった。額に入れて飾っておきたいくらい素晴らしい試合だ。レッズとの差は紙一重だった。しかし,この紙一重こそが強いチームの証だ。マリノスはうまいチーム,良いチームを経て,強いチームになった。選手達,そして監督の岡田武史に敬意を表したい。
この強さを維持することは難しいことだが,なんとしてもこの強さを保ってほしい。強くあり続けることこそ,挑戦者に対するチャンピオンの義務なのだから。



※それにしても・・・15日の天皇杯はどうするんだろう??協会も1週間くらい休ませてくれよ。