あくび指南所 2号店

ほとんど買い物メモです。

「下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)」三浦展 光文社新書

ちょっと売れてるらしいので、話のネタとしては面白いかも。でも真剣に読むほどの本ではない。
つーか、この著者と問題意識が共有できません、私。結局、経済的成功に重きを置くかどうかという価値観の違いで住み分けられているわけで、そのこと自体がそれほど問題だとは思えない。価値観の違う人間に対して、上流=良いことという価値観で話をされても余計なお世話って感じ。
気をつけなければいけないのは、この本でいう上流、下流とはあくまでもアンケートに答える人間の意識・イメージであって、経済的な成功度や人生に対する満足度とはイコールでないということ。「上流」に対するステロタイプ(職種や趣味などに関して)があって、そのイメージと遠い人間(例えば、肉体労働でオタク趣味)はたとえ金持ちであっても「上流」とは答えないのではないだろうか?
最後に取ってつけたような提言をしているが、これも聞き流すほかないというレベル。東大の学費を無料化せよというが、下流の民は向上心がないと自分で言っているわけで、そんな人間が努力してまで東大に行くわけないじゃん。