あくび指南所 2号店

ほとんど買い物メモです。

「愛犬王 平岩米吉伝」片野ゆか

「愛犬王」というちょっとユーモラスなタイトルが、この米吉という人をよく表しているように思う。犬に捧げる愛情は尋常じゃないが、社会や人間に対して攻撃的なわけではなく、好奇心の塊でどことなくユーモラスなところがある。やってることは確かに「奇人」だけど、人間味あふれる奇人だ。
当時は片田舎だった自由が丘に屋敷を構え、犬や狼といっしょに暮らすなかで、犬と一緒に飼うことで狼も犬のような吠え方になることや、犬にも利き足があることなどの生態学的な発見をしてみたり、動物文学(動物に対する科学的な知識・観察に基づいた文学作品)を提唱して同人誌を編集したりと、多彩な才能を見せる。在野にして自分のやりたいこと、知りたいことをひたすら追求していく生き方は素敵だ。
それにしてもこの人、どうやって生計を立てていたのだろう?


愛犬王平岩米吉伝
片野 ゆか著
小学館 (2006.4)
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