あくび指南所 2号店

ほとんど買い物メモです。

『イラク 戦争と占領』 酒井啓子 (岩波新書)

イラクについてネット世論もかまびすしい中,抑えるところは抑えておこうと,イラク研究の第一人者の本を買ってみました。イラク戦争勃発直前から現在(2003年末)までの状況を記しています。
基本的なところは新聞報道等で知ってはいましたが,イスラム宗教界の事情などは十分理解できていなかったので,ためになります。
この本を読んで感じるのは,イラク社会の成熟度や民度の高さ(こういう書き方すると偉そうでいやらしいね,どうも)。フセイン政権下で抑圧されていたけれど,政治意識も高く,自治能力もある。そういう部分にプライドもあるはずで,それを無視している点が,アメリカの占領政策がうまくいっていない理由だろう。日本の復興支援もイラク社会をうまく活かしていかないと,反感を買うことも増えるだろう。日本はそういうところが苦手っぽいけど。