あくび指南所 2号店

ほとんど買い物メモです。

『パリは燃えているか?』ラリー・コリンズ、ドミニク・ラピエール著 ハヤカワ・ノンフィクション・マスターピース

第二次世界大戦、パリ解放までの数日間を多数のエピソードで描くノンフィクション。
フォン・コルテッツ将軍の苦悩、ヒトラーの狂気、ドゴールの豪胆、パリ市民の悲劇と歓喜、それぞれが印象的なシーンで彩られている。
ドイツに護送される夫を追って自転車でフランスを横断する女性、解放直前のパリ市内に響く鐘の音、最後の戦いを前にゆうゆうと髭をそるドイツ軍将校、フォン・コルテッツ将軍を群集の復讐心からかばう"ジャンヌ・ダルクのような"女性志願兵、ヘミングウェイが注文した七十一杯のドライ・マティーニ。。。
また、印象的なセリフもたくさん。

「パリはまさに二十万の死者に価するのだ!」
「あなたはパリのためにはじつに見事な弁護士ですな、テタンジェさん。あなたはご自分の義務を立派に果された。私も同じくドイツ将軍としての義務を果さなければなりませんな」
「パリはどんなことがあっても敵の手に渡してはならない。もし敵に渡すようなことがあっても、その時はパリは廃墟となっているだろう」