あくび指南所 2号店

ほとんど買い物メモです。

NODA・MAP「キル」@シアターコクーン

主演がツマブキ&広末ということで不安な思いもあったのですが、なかなか健闘だったのではないでしょうか(何様)。
オープニングでの第一声は「声が出てねーなー」と不安になったが、時間の経過とともにだんだん違和感がなくなった。
広末は、美人だけどアホ、という役どころ。アホっぽさをうまく出していて楽しい。でもやはり声がキツそう。関係ないが、旅人役の時に見える腹筋が素晴らしい。よく鍛えられてるなー。
「キル」は野田地図で3回目の公演。再演はTVで見ている(初演はどうだったかな?)ため、どうしても比べてしまう。前と比べてちょっと…と思ったのが結髪。前回の古田結髪がすごく良かったため、今回の勝村結髪が軽く見えてしまう。
あとは、イマダ役の人のしゃべり方がどうも苦手。芝居の世界から引き戻されてしまう。
良いのは「人形」役の高田。この芝居で一番良い役はこの役なんじゃないかと思う。包み込む優しさ、地位への執着心、そして裏切り。人間の熱さと人形の冷たさという二面性が表れていて、心惹かれる。


野田秀樹はいつも言葉遊びの多い人だけど、この芝居は特に言葉遊びが多い。ベタといえばベタな洒落なんだけど、この野田的世界で発せられるとグッと来てしまうのだよな。


見に行った日は開幕からまだ3日め、ということで芝居の完成度はまだまだという印象。ミスもチラホラあったし、演技がいまいちしっくりしない印象があった。1月にもう一度見に行くので、熟成に期待。


PS
パンフの巻頭あいさつに野田さんが書いた文章が、自分の演劇感(さらには落語感)と通じるところがあって、おもしろかった。これについては、書けたらなんか書く。